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夜尿症について

「おねしょ」と『夜尿症』は別けて考えています。

1 「おねしょ」と『夜尿症』の違い
「おねしょ」はありふれたこどもの症状です。夜寝ている間につくられる尿量と尿を溜める膀胱の大きさのバランスがうまく取れていないときに起こります。また、膀胱に尿が溜まっても、睡眠が深くその刺激でも目覚めない時にも起こります。こどもの成長とともに、膀胱容量が大きくなったり、膀胱の尿貯留の刺激を感じる様になれば自然に「おねしょ」は無くなります。そのため、5歳未満のこどもでは「おねしょ」があっても必ずしも病気とはいえません。5歳を過ぎて月に数回以上「おねしょ」があるこどもは5人に1人ぐらいです(20%)。10歳(5年生)でも20人に1人ぐらい見られます(5%)。一般的に、小学校へ入学後も「おねしょ」が続く場合は、『夜尿症』として治療が行われます。『夜尿症』の治療に当たって最も重要な事は、«尿漏れ»が夜間だけのものなのか、昼間も起こる(遺尿症)のかをしっかりと識別する必要があります。昼間も«尿漏れ»がある場合の多くは、小児泌尿器科的疾患(水腎症・尿管膀胱異状など)の精査を必要とします。治療方針・治療法が異なるからです。

2 『夜尿症』の治療

『夜尿症』治療の原則は 《起こさず・焦らず・怒らず・褒める・
比べない》 です。治療法には ①生活指導 ②行動療法 
③薬物療法があります。先ず最初は、排尿手帳を付け、
その症状・病態を把握します。その後、食事・飲水・
排尿などの生活指導を行いますが、概略5人に一人はこれで治癒します。

これで治癒しない場合はアラーム療法、薬物療法などに移行します。
こども本人はそれなりの精神的負担を感じていますが、

早期の治癒を諦めている場合も少なくありません。

『夜尿症』の治療には、本人の‘治そう’という意欲と保護者の協力が非常に重要です。
是非、家族で取り組まれる事をお薦めします。

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